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sekaiwoyakusu’s blog

世界の"おもしろそう"を日本語に訳します



SEKAIWOYAKUSU

世界の"おもしろそう"を日本語に

「インターネットは世界を悪くしていない」

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いま、私がもっとも注目している人はベネディクト・エバンスです。彼は、Andreessen Horowitzという2009年に設立されたベンチャー・キャピタルで働いています。彼は、いまや伝説ともなっている"Mobile is Eating the World(モバイルが世界を飲み込む)"というプレゼンテーションの考案者としても有名です。

現在、25億台のスマートフォンが世界中で使われています。スマートフォンは10年ほど前に発明されたデバイスですが、ここまで普及していることに驚きます。スマートフォンが普及するスピードは驚異的でした。現在、中国には6.5億人のインターネット利用者がいます。ブラジルのインターネット利用者の数は、アメリカのFacebook、Twitter、YouTubeの利用者の合計よりも少ないですが、ブラジルで利用されているスマートフォンの数は人間の数よりも多いのです。

インドにおけるインターネットに接続している人口の数は、2020年までに2.7億人に達すると見込まれており、インターネット利用者は7.3億人を突破することが見込まれています。これが実現すると、インドにおけるインターネット利用者の数は、米国の全人口よりも多くなるわけです。過去2年間でミャンマーは、世界でもっともインターネットに接続する人口が少なかった国でしたが、スマートフォンをの所有者は国民の50%にまで増加しています。2016年は、アフリカでいわゆるガラケーの輸入量がスマートフォンの輸入量を上回った初めての年となりました。2015年のアフリカにおけるスマートフォンの普及率は18%でしたが、2020年には50%にまで上昇する見込みです。

地球上にいる人間の半数以上がインターネットに接続しているという現実は、何を意味するのでしょうか?

すでに私たちが目の当たりにしている物語のいくつかは、すでに特筆べきものとなっています。アフリカ南部にあるレソト王国では、HIVに感染した母親や子どもに対しての補助金の支払いをスマホ決済システムを利用して行っています。インドでは、トラクターの配車アプリが広く普及しています。西アフリカでは、天気予報をメールで知らせるサービスが農家の暮らしを大きく変えました。ミャンマーの農家の暮らしも大きく変わっています。彼らは、飼育している牛などを3G回線が強い平原に連れていき、放牧させている間にクラッシュオブクランというスマホゲームで遊んでいます。「それはスマホ依存症だ!」と文句を言う前に、太陽の下で10時間も何のエンターテイメントもなく働く生活を想像して欲してみてください。

インターネットに接続し始めている人びとは、の親の世代とは大きく違います。小児期の疾病に対する医療の進歩の恩恵を受け、過去四半世紀の時代を過ごした大人たちは、人類史においてもっとも健康的な生活を享受してきました。また、高水準の教育を受ける機会にも恵まれました。50%ほどの非識字率は、およそ16%ほどにまで低下しました。また、ここ30年間で読み書きができる人間は、30億人増えました。アジアにおける高等教育の急速な拡大したことで、1980年以前に付与された学位よりも、現在生きている人間が持つ学位のほうが多くなっています。

もっとエキサイティングなことは、いま世界規模で起きている接続性、健康、識字率の爆発的な発展は、高性能な音声認識能力と一瞬で翻訳できる機能をもった機械的なアルゴリズムの助力とともに起こっています。言い換えれば、私たちはバベルフィッシュのような機械翻訳ができるアプリケーションを地球上に生きる人間のほとんどが、携帯デバイスで使えるようになる未来がすぐそこまで来ているのです。

しかし、これは私たちが肩を組んで同じ曲を一緒に歌うようになることを意味するわけではなく、ついに私たちは他者がどのようなことを考えているのかを発見できるようになったことを意味するのです。インターネットが約束する最大の恩恵は、膨大な情報を自動的に解析することで、より良い決断が下せるようになることでした。一方、インターネットがもたらした最大の失望は、膨大な情報を自動的に解説することで、私たちがすでに正しいと信じていたことが本当に正しい可能性を高めることに留まったことです。過去数ヶ月で私たちが目撃した通り、同じ国で同じ言語を話す人びとは、大きくかけはなれたオンラインの領域においても共生することができます。ある人が朝食でアルゼンチンの新聞を読み、ランチでモンゴルの友達と会話を楽しみ、夜には日本のオンライン・フォーラムにコメントを書き込むといった未来がくるのは、まだまだ先の話でしょう。

とは言っても、イデオロギー的な分断の広がりを理由にインターネットなどを通じて人びと間で接続性が増加したことに文句を言う方々は、いま世界で何が起こっているのかを正しく認識していないです。この世界は悪くなっているのでもなければ、人びとの間で分断が深まっているわけではありません。私たちは、こういった問題を常に抱えてきましたが、インターネットなどによる人間の接続性の増加は、こういった問題に一筋の光明を与えています。人種差別、外国人嫌悪、偏見、性差別は、インターネットが普及する前にも存在した大きな問題でした。

しかし、インターネットの登場により、こういった問題がより表面化し、より鮮明に見えるようになったのです。こういった悪い部分がインターネットを介してより表面化することで、私たちは人間の暗い部分を無視することはできなくなります。これに恐怖を感じたり、暗い気持ちになる人びとはいるでしょう。しかし、だからこそ接続性は重要なのです。インターネットの登場により数十億人の人びとは、世界に対して正々堂々と意見を述べる機会を得ました。これは、私たちは自分たちを無知でると主張することを不可能とし、過去に善意の人びとに起きた酷いことを洗い出しくれます。

この世界の門番たちが、私たちに信じるように教えてきた現実を受け入れるのではなく、この世界のありのままの姿を受け入れましょう。そうすべき時代に私たちは生きているのです。

 

元記事:The World Isn’t Getting Worse, We’re Just Getting More Connected