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sekaiwoyakusu’s blog

世界の"おもしろそう"を日本語に訳します



SEKAIWOYAKUSU

世界の"おもしろそう"を日本語に

サラダは評価されすぎ

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世界では人口増加が急速に進んでいるため、私たちはより良い物を食し、より良く食物を栽培しなければならない。そして、「より良い物を食し、より食物を栽培することを実践しようとしている人々は、多くの食べ物が栽培の課程で大きな問題を生み出しているという事実に直面している。

例えば、アーモンドは1粒育てるのに3.8リットルという大量の水を必要とするため、限りある水資源の浪費だという批判がある。さらに、コーンの単一栽培は広大な農地で1種類の作物のみを栽培するため、その土壌環境、地下水、土着の動植物、そして天候にまで悪影響を与えていると懸念している。私たちにとって身近な牛肉は出荷するまでの課程が効率的ではない上に、牛自体の呼吸や排出物などから温室効果の高いメタンガスが多く排出されている。

食べ物の中で唯一、栄養価が極めて少ないのにも関わらず、栽培するために広大な農地を占拠し、世界中に輸送するために大量の化石燃料や冷凍保存のための化学薬品を必要とするものがある。

それは、「サラダ」という食べ物だ。私たちはサラダについて改めて考える必要があり、それは3つの理由に基いている。

サラダに用いられる野菜の栄養価は、悲しくなるほど少ない。レタスはサラダの中でも最悪だ。最悪な理由はレタスのような葉菜類は、多くの資源を浪費する。

私は7月に1エーカーあたりのカロリーに関する計量で、コーンを擁護する記事を書いた。その結果、数名の読者に「コーンの栄養価を無視している」とご指摘を頂いた。その通り、私はコーンの栄養価を完全に無視していた。栄養価が重要ではないと思っていたから無視したわけではないが、私たちが必要とする栄養価は、推奨されている1日あたりの摂取カロリーのごく少量で摂取することができるからだ。こうなると1日の大半はコーンのような穀物を食べることになる。しかし、あなたが栄養価こそがもっとも重要なメトリックだと思うのであれば、コーンに対して怒りの矛先を向けてはいけない。怒りをぶつけるべきなのは、レタスだ。 

栄養学に関する話を聞きに回った。話を聞いた1人は、研究者のチャールズ・ベンブルック氏だ。彼と彼の同僚であるドナルド・デイビス氏は栄養価指標を発展させた。この指標は、27種類ある栄養素の含有量によって食物を格付けしていくものだ。1人前の分量で計算したときに、栄養素がもっとも低い食物ワースト5のうち4つがサラダに含まれている。それらはキュウリ、大根、レタス、セロリだった。ちなみに、もう1つはナスだ。

こういった食物の栄養素が低い理由は、シンプルな1つの事実をもって部分的にだが説明することができる。「これらの野菜はほとんど”水”である」ということだ。野菜は食物の中でも水分の含有率が非常に高く、これはほとんどの野菜にいえることだ。例えば、水分の含有率がもっとも少ない野菜の1つであるサツマイモでさえ、水分の含有率は77%だ。前述の4つの野菜の栄養素は、95〜97%が水分で構成されている。レタスにいたっては、水分の含有率は1リットルサイズのエビアン(96%が水分で、残り4%がプラスチックボトル)と変わらない。栄養素はエビアンよりもレタスの方がほんの少し多いだけだ。

次にコラード・グリーン(キャベツの1種)を栄養学的にみてみよう。コラード・グリーンの栄養素は90%が水分だ。「90%も水分なの?」と感じた読者もいらっしゃるだろう。しかし、レタスとコラード・グリーンを比べてみると、コラード・グリーンの方が水分以外の栄養素をレタスの2倍含んでいる。これも、水分以外の栄養素が生きていたらという仮定の話なわけだが…。それでも、あなたはこういった栄養素が極めて低い野菜を今後もたくさん食べるだろう。なぜなら、野菜を調理して料理を作るからだ。大きなレタスを食べたとしたら、多くの野菜を食べて健康に良いことをしたという満足感が得ることだろう。ただ、実際に大きなレタスを調理、例えばソテーしたとしたら、大きなレタスは一口か二口で完食できるほどの大きさになる。

栄養価の問題は、ようするに費用の問題でもある。例えば、グリーン・サラダをレタス1個、キュウリ1本、山ほどのダイコンで作るとしよう。このサラダを作るためにかかる材料費は、私がよく使っている近くのスーパーマーケットだったら、3ドルほどだ。3ドルもあれば、900グラ分のブロッコリー、サツマイモ、もしくはロースト・チキンの付け合せにより栄養価の高い冷凍野菜が買えるわけだ。 

レタスは凍った水分を農場からご家庭のテーブルに運ぶ乗り物と言える。もし、私たちがこういった栄養価の低い野菜を食べるのをやめて、栄養価が2倍あるトマト、コラード・グリーン、サヤインゲンを食べるようになれば、レタスの栽培に割かれている農業用地の半分が解放されるだけでなく、栽培、保存、輸送にかかる化石燃料を含む資源を削減することができる。 

地球を救うために、サラダを食べる回数を減らそう

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サラダはダイエットをする人々に、悪い選択をするよう欺いている。レストランでサラダと名前がつくものは、そのレストランの他のメニューと同じく悪魔のように高カロリーであり、私たちを太らせる。サラダといっても、レタスの葉が数枚のっているだけなのだから。次にサラダを頼む機会があったら、食べる前に時間をとって次のような実験をして欲しい。サラダからレタス、キュウリ、カブといったカロリー的にも栄養価的にも重要でない食物を取り除いて写真を撮ってみてほしい。残ったのは少しのクルトンとチーズ、それにすりおろし人参と大げさにかけられたドレッシングが残るんじゃないだろうか?

フランスにあるINSEAD(ビジネススクール・経営大学院)でマーケティング分野の教授を務めるピエール・チャンドン氏は、サラダは「健康ハロー効果」によって評価が歪められていると主張する。ハロー効果とは、ある対象を評価をする時に顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のことだ。一般的に人々はサラダは体に良いという考えをもっており、実際のサラダの栄養素や栄養価に対して注意を払わないのだ。

私はチェーン店のレストランにあるサラダが、カロリーの面においてパスタ、サンドイッチ、バーガーより悪いとは言わない。アップルビーズ(アメリカのステーキやバーガー類を中心のファミリーレストラン)にあるオリエンタル・チキン・サラダは、驚くなかれ1,400カロリーもある。メニューの中でカロリーが一番低いサラダは、グリルチキン・シーザー・サラダだが、それでも800カロリーもある。

もちろん、サラダが常に悪い選択というわけではないし、アップルビーズには550カロリー以下のメニューもある。これは、アップルビーズに関わらず、チェーン店のレストランであればメニューはどれも似たようなものだ。例えば、アップルビーズのタイ海老のサラダは、390カロリーだけだ。それでも、オリエンタル・チキン・サラダよりもナトリウム値は多いわけだが。その他に、比較的新しいレストラン・チェーンであるスウィートグリーンは、より良いサラダを提供している。彼らのサラダに入っている野菜は、栄養価が比較的高い野菜が多く、揚げ物が少ない。 

全米のレストラン業界誌であるネーションズ・レストラン・ニュースでコラムニストを務めるブレット・ソーンさんは、レストラン業界とサラダを長期にわたって観察してきた。彼は「シェフたちは来店客の心理になにが起こっているのかをよく知っており、心理的なヘルスウォッシングをしている」と語る。ヘルスウォッシングとは、欧米のネットに現れた新しい単語で、商品(主に食品)が実際よりも健康に良いように宣伝されるという意味をもつ。これはサラダに限ったことではないが、”フレッシュ”、”ナチュラル”、”ローカル”、”シーズナル(旬)”といった言葉が商品のラベルに使われれているのも一種の心理的なヘルスウォッシングだ。さらに、ソーンさんは外食産業を次のように指摘する。「シェフは栄養士でもなければ、生活衛生関係者でもない。彼らは単純に客が買いたいと思う食品を作るだけなのだ。」

私たちは揚げ物、クリームたっぷり、塩辛い、もしくは甘い、もしくはこういった要素をすべて含む食べ物を買いたい。これは、「正しいサラダが栄養価が高い食事ではない」という意味にはならない。これは、単純にこういった要素を含む食べ物に私たちは騙されやすいといことだ。

サラダは、私たちの食料供給において不幸な影響を受けている。食品業界において、レタスは好まれない野菜ランキングで1位だ。まず最初にレタスは、野菜部門において廃棄される量がもっとも多い食品だ。45万トン以上のレタスが食されることなく廃棄されている。また、食物経由の病気の”主犯格”といえる食品でもある。アメリカの疾病対策センターによると、1998年〜2008年までにおきた食物経由の病気のうち22%がレタスのような緑葉野菜が原因だ。 

公平性を保つために言うと、アメリカの疾病予防管理センターの緑葉野菜のカテゴリーには、キャベツやほうれん草などの緑色をした葉をもつ野菜が含まれているわけだが、このカテゴリーに含まれる緑葉野菜の多くは、サラダのように生で食べられることがほとんどだ。 

これまで長々と話してきたが、私たちの食料供給においてサラダが役割を持っていないと言っているわけではない。私もサラダは好きだし、夕食のテーブルにサラダがあれば、ラザニアの食休みにもなる。私たちが家庭で作るサラダは、レストランで出されるサラダとは異なる。Yummlyというレシピ投稿アプリによれば、レタスが中心のサラダは1人前で平均398カロリーだ。 

氷山の一角ではあるが、大根、ベーコン、ブルーチーズ・ドレッシングは、私が食べるのをやめられない食べ物だ。しかし、私たちが作物を責任をもって栽培し、栄養価が高い食べ物を人々に供給するように変革を起こすのであれば、サラダを健康に良い食品だと考えるのはやめ、サラダは多くの資源を浪費する食べ物だと認識するべきだ。

 

元記事:Why salad is so overrated

この記事を訳しながら聞いていた曲